
きょう(3日)のわたしの関連質問原稿をアップします。本番では若干手直しして話してる部分もありますが、ご容赦ください。持ち時間は20分(片道)でした。
1、就学援助の充実を
①コロナ禍での就学援助の活用状況
(問1)
経済的に困難な家庭の子どもたちに就学の機会を確保し、教育を受ける権利を保障するのが就学援助制度です。格差と貧困の広がる今の社会において、とりわけコロナ禍で失業や倒産、時短などによる大幅な減収という状況が広がっているここ数年、就学援助の役割はますます重要になっています。
そこでまず、コロナ禍が社会に影響を与えているここ数年の米子市内、鳥取県内における就学援助受給者数の推移について伺います。また、受給者数の推移について、どのように分析しているのか、伺います。
⇒受給者数がコロナ禍にもかかわらず横ばいに推移しているとのことですが、これには入学時や進級時に学校で就学援助制度に関する書類を配布するなどの現在の周知方法や、学校から希望者に申請書を配布するなどの申請書配布方法などにおいて、コロナ禍という急激な経済悪化に対応しきれていない部分があるのではないかと感じました。
そういった観点からの改善の検討をぜひお願いしたい、要望しておきます。
②学用品費の支給回数を増やすこと
(問2)
就学援助費の中で、費目のうち文房具や体操服などを購入するための学用品費があります。小学校や中学校に入学する児童・生徒を対象とした新入学用品費が支給される新入生を除き、小学2年から6年生には年間1万3900円、中学2年と3年生には年間2万5000円支給されています。
この学用品費の支給方法、支給回数について現状はどうなっているのか、伺います。
(問3)
新入学児童・生徒に対する新入学用品費は、長年の運動が実って入学前に支給される前倒し支給が、米子市でも数年前から実施され、「ランドセルやかばん、学生服など入学用品を購入するのに助かった」と喜ばれています。しかし、在校生の学用品費は年度末に一回、まとめて支給されることになっているわけです。これでは学用品を買い足すとき、必要な時に間に合わないことになってしまっています。(パネルとお手元の資料を見てください)公益財団法人「セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン」の調査で、「就学援助制度を利用するにあたって、改善してほしい点」を尋ねたところ、①家庭での立て替えが必要ない支給時期・方法」が26.5%でダントツの一位でした。米子市内もそうですし、全国でもそうなんだなと、あらためて実感しました。せめて、学期末支給など年に何回かに分けて支給してほしい、こういった要望が出されています。事務負担もそれほど増大するとは考えられませんが、こうした要望にこたえていくべきではありませんか? お答えください。
③給食費は全額助成とすること
(問4)
給食費助成は、現在米子市では全額助成となっておらず、7割助成、つまり3割は自己負担となっています。以前は10割、全額助成の時代もありましたが、どういった要因によって10割助成から現在の7割助成になったのか、変遷の経緯について伺います。
(問5)
私は、困窮している家庭にとって、就学するための支出の中で大きなウエートを占める給食費は全額助成する必要があると考えますが、米子市のように7割助成にとどまっているなどの、全額助成をしていない自治体は全国でどの程度あると認識されていますか? 伺います。
(問6)
米子市の場合、小学生、中学生の給食費は児童・生徒一人当たり年額いくらになっていますか? そして、就学援助で現在の7割助成を10割助成に変更した場合、米子市はどの程度の財政負担増になると考えられますか? 伺います。
⇒小学生で一人年間5万4千円、中学生で5万9千円ということですから、その3割負担となるとそれぞれ1万6千円以上、1万7千円以上となるわけです。これは生活保護基準の1.3倍以内の収入で暮らす就学援助受給世帯にとって大きな負担です。本来、教育は無償の原則に立てば、学校給食は無償とすべきです。せめて、就学援助受給者に対しては全額助成して、経済的な困難を抱える家庭の子どもたちに健やかな成長を保障すべきです。
④就学援助の制度の趣旨を生かした充実を
(問7)
そもそも、就学援助は何のために制度化されたものなのか、その根拠法は何なのか、教育長の認識を伺います。
(問8)
憲法第26条では、教育を受ける権利、教育の義務がうたわれ、また教育の機会均等をうたった教育基本法第4条の第3項では、「国及び地方公共団体は、能力があるにもかかわらず、経済的理由によって修学が困難な者に対して、奨学の措置を講じなければならない。」とあり、そこから先ほど答弁にありました学校教育法第19条につながっていくわけです。(再びパネルと資料をご覧ください)先ほど紹介した「セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン」の調査で、「子どもや子育てに対して、現在必要としていること、重要だと思う支援等」で、これもダントツで「子どもの就学にかかる費用の軽減」が上げられています。そういった観点に立てば、経済的困難に直面している児童・生徒に対して、学用品費を必要な時に支給する、給食費は全額支給する、こうした改善が必要です。教育長の所見を伺います。
⇒市の財政事情で経済的に困難を抱える児童・生徒の学びの機会が奪われることがあってはならない、そのことを主張して-。
2、加齢性難聴者の補聴器購入助成の創設を
①全国市長会からの補聴器購入助成に関する要請
(問1)
加齢性難聴者の補聴器購入助成について12月議会での石橋議員の質問に対する福祉保健部長の「全国市長会から国に制度の創設を要請」との答弁がありますが、その内容と趣旨を伺います。
(問2)
部長はまた「本市としても積極的に働きかけたい」と答弁していますが、伊木市長はそのことについてどう認識しているか、所見を伺います。
②全国の自治体独自での助成制度
(問3)
2017年に開かれた認知症予防の国際会議(アルツハイマー病協会国際会議)では、高血圧、糖尿病、喫煙などとともに難聴が認知症の修正可能な9つのリスク要因の一つとして挙げられている、このことの認識について伺います。
(問4)
難聴の改善に力を発揮する補聴器が、日本ではあまり普及していない。補聴器の購入価格が高いこと、高度・重度の聴覚障がいの方しか公的支援の対象となってないこと、が普及が進まない理由とされています。そうした指摘に対して、市長の認識を伺う。
(問5)
日本補聴器工業会の調査報告に基づいて、高額なため、また公的支援がないために普及しないというわけではない、との答弁でした。納得できない答弁です。私の2020年12月議会での質問に対して「日本補聴器工業会が調査を実施されていることは承知しているが、国が正式に公表しているデータとして示されていないため、本市として見解を示すことはできない」と答弁されています。その時は国のデータじゃないから見解を示せないと言いながら、今回は補聴器の普及が進まない理由について、同じ日本補聴器工業会という民間団体の調査を根拠に、「価格が高いからでも、公的支援がないためでもない」と言明される、この答弁はご都合主義だと言われても仕方ありません。
これでは、難聴者の比率が日本と欧米では大差ないのにもかかわらず、補聴器使用率が公的支援制度があるドイツが難聴者に対して34.9%、米国が30.2%なのに日本はわずかに13.5%でしかない、こういった事実の説明がつかないではありませんか。第一、全国市長会が「高齢者福祉施策に関する提言」や「障がい者福祉施策に関する提言」で、補聴器購入に対する補助制度などを求めているのは、補聴器が高額であるから、また日本に中等度の難聴者に対する購入費補助がないからじゃないんですか。市長の所見を伺います。
⇒令和3年10月13日、岩手県議会が決議を上げています。決議文では「日本の難聴者率は、欧米諸国と比べて大差はないが、補聴器の使用率は欧米よりかなり低くなっている。この背景には、日本において補聴器の価格が高額であることに加え、公的支援制度が不十分なことがある」として、「加齢性難聴者の補聴器購入について、全国統一の公的支援制度を創設するよう」求めるといった意見書を国にあげているんです。まずはこうした認識に立つべきです。
③米子市も独自助成の検討を
(問6)
市長会として「積極的に働きかける」としているが、国の制度化までの間、独自の助成制度をもうけている自治体も次つぎと生まれている。全国、県内の状況を伺う。
(問7)
お年寄りの認知症予防、社会参加を促進する意味でも“聞こえ”機能を保つことは重要です。国の制度化までの間、県に協調を求めてでも市独自に購入費補助をすべきではないか。所見を伺います。
⇒鳥取県内では大山町が、2022年度予算に「高齢者補聴器購入助成」30万円を計上した、このように報道されています。ぜひ米子市もそうした方向に踏み出すべきです。
④健診での聴力検査の実施を
(問8)
加齢性難聴の方、なかでも日常生活に支障をきたす中等度の難聴の方は、市内に何人ぐらいいると把握しているか? また、補聴器購入助成を求める声は届いてないのか? 伺います。
(問9)
“聞こえ”は、認知症対策の重要な部分です。またお年寄りの社会参加を促していくうえでも、しっかりと聞こえるようにしていくことが重要です。加齢性難聴の方が市内にどの程度おられるのか把握していない、という先ほどの答弁がありました。であるならば、実態を把握するうえでも聴力検査を健診に組み入れる、せめて3月3日の「耳の日」だけでも専門家による相談会を開催する、こうした取り組みが求められるのではありませんか? 伺います。
⇒千代田区は区民健診で、60歳以上の「聞こえに不安がある」と答えた住民を対象に、2020年度、初めて聴力検査を実施しています。こうした取り組みを検討することが必要なっている、こう指摘しておきます
3、コロナ禍での無料低額診療の活用を
①無料低額診療制度の意義について
(問1)
「無料低額診療」(以下、「無低診」と言います)とは、「生活困窮者」のために無料または低額の料金で診療を行うもので、一定の水準以下の収入で生活されている方が対象になる、とされています。どういった法的根拠にもとづいて、どういった内容の診療を言っているのか? また、米子市内で「無低診」を実施している医療機関は何カ所あるのか? 伺います。
②コロナ禍での無低診の利用状況
(問2)
実施医療機関から活用状況などについて定期的な報告がなされているのでしょうか? 伺います。また、ここ数年の利用状況の推移、とりわけコロナ禍の影響はないのかなど、どのように把握しているか? 伺います。
⇒東京の(1病院、9診療所を有する)中野健友会では、無料低額診療者数が2019年は252人、20年は400人と1.5倍に増加した-このように報告されています。また、全日本民主医療機関連合会(民医連)は、「コロナ禍を起因とした困窮事例 中間とりまとめ」の中で、「経済的に困難で受診を我慢し、症状が悪化してから受診、あるいは救急搬送される事例が寄せられている。…また手持ちのお金がないため、窓口負担や薬代が払えないと受診を断念するケースも少なくない」として、非正規雇用など経済的不安定層にコロナ禍が追い打ちをかけ一層困窮に陥っているようなケースで「困窮が医療へのアクセスを阻害し、重症化や手遅れを招いている」と警鐘を鳴らしています。無低診制度の周知が必要だと感じました。
③無低診の周知のための広報活動
(問3)
2020年の民医連全体の患者数は365事業所の合計で205万6719人、そのうち無低診の低額免除8万136人、全額免除19万3385人で、事業所が減免した費用は7億6142万5800円にものぼったと報告されています。こうした弱い立場の人たちに寄り添った診療活動を、周知することが大切ではないか?
(問4)
コロナ禍で経済的に困窮する市民に、こうした制度について具体的にどう周知を図ってきたのか? 周知方法などをもっと改善すべきではないか? 伺います。
⇒民医連の調査によると、受診者のうち「無低診」事業を知っていて受診したのか、という質問に「知っていた」というのは26%、「知らなかった」が74%―つまり4人に一人程度しか無低診を知らなかった、という結果で、「多くは受診後の医療費相談で無低診の利用につながっており、まだまだ事業の周知が不十分」と分析しています。受診料が払えないからお医者にかかれない、そういった層に積極的に受診を働きかけるためにも無低診の制度の周知を図っていただきたい。
神奈川県民医連は県に対し、「①事業の実施医療機関をホームページで紹介するだけでなく、ポスターやパンフレットを作成」すること、「②小学生や中学生を持つ保護者に事業の実施医療機関を紹介するパンフレットを配布し、お金の心配なく、子どもたちが必要な医療を受けられるようにすること」など無低診事業の周知徹底方を要望しています。ぜひ鳥取県などとも連携して周知を徹底されるよう要望しておきます。
④無低診「薬代助成事業」の検討を
(問6)
無低診で医療費が全額免除、一部免除となっても、院外薬局・保険調剤薬局では処方された薬を求めようにも無料低額診療制度が対象外となっているため、困窮者には負担が重い。そうしたケースを救済するために、北海道・帯広市の「無料低額診療へのくすり代助成」など、国の制度ができるまで自治体が助成する制度をもうけている事例が生まれています。どう認識しているか? 伺います。
⇒米子市でも薬代についても独自の助成をし、お金がないから受診できない、薬代が払えない、そういった状況に市民が追い込まれないよう検討すべき、こう指摘しすべての質問を終わります。