自然に対して謙虚でありたい

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 冬山シーズンの入り口であるこの時期、北日本を中心とした寒気団の入り込みの影響を受けてか、北海道・十勝岳連峰での雪崩による4人の遭難という25日付の新聞記事はいたましい。

 私自身、学生時代は山岳部に所属していて、私の卒業時に発生した後輩部員たちの春山山行・後立山連峰での雪崩遭難で4人の犠牲者を出すという痛苦の経験があるせいか、雪崩遭難については敏感になっている。ちょっとした判断ミスが重大な事故につながる、その典型の一つが雪崩遭難だと思う。

 そこのところを、的確に表現していたのが「しんぶん赤旗」の報道記事と見出しだ。遭難したパーティーのリーダーだった方の証言を引用して、「現場近くには事故直前、新しい雪崩の痕跡があり、パーティーは『しばらくは雪崩は来ないだろう』と判断した。(リーダーの)中村さんは『それが間違いだった』と語ります。その後、雪質がいつもより落ち着いていない感じをメンバーが抱き、引き返そうかどうか判断しようとしていた際に雪崩に当たってしまった」と記述している。

 私にはその表現が何ともいえない、山岳事故に遭遇した当事者の素直な気持ちを伝えている、そのような感じを抱かせるものと思える。そして、駄目押しは見出し。「判断ミス『悔しい』 山岳会幹部が会見」-とあり、仲間を失った悔しさがひしひしと伝わる見出しとなっている。

 既成概念として、私自身抱いていたのは「山岳記事は『朝日』のもの」という幻想。本多勝一など優れた“山”出身のジャーナリストを輩出している「朝日」だから、いまでも「山の記事なら朝日」という思いもある。しかし、その“山”に“人間”が絡んでくると、「赤旗」もやるじゃないか、そう思わせるに十分な十勝岳連峰雪崩遭難の記事だった、と思う。

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