標記のタイトルで、中海森山堤防60m開削後の影響調査の報告を聞きました。
「美しい中海を守る住民会議」主催の勉強会でした。
鳥取県環境部水・大気環境課長の広田一恭氏、副主幹の福政民栄氏そして水産試験場沿岸漁業部研究員の太田武行氏が報告下さいました。
開削後のデータはまだ少なく単年度の調査結果では結論はでないながらも、
魚貝類の状況には、明らかに変化があることが報告されました。
途中、全リン、全窒素、CODなどの報告だけではどうにもならない、と怒ってかえられた方があり、みんなでなだめたりしながらも、熱心な勉強会の空気は冷めず、
「干陸淡水化中止後何年も経つのに、流れを元に返すことが進展しない。なんとか早く中海をきれいにしたいという願いでしょう。流動の関するモニタリング結果も、国土交通省から貰って開示して下さい」と、住民会議からも要望しました。
50人分用意の資料が足りない程の集まりで、米子はもとより、
境港から、大根島から、島根漁協から、各方面たくさんの方がみえて、
積極的な発言のよい会でした。
私の隣の島根県の水産関係の方が、
「開削後の本庄水域は海水の魚は入って来ているが、底層の貧酸素が酷くなった。」と発言されました。
時間に急かされた会の終了後、
「底層が酷いのは海水が入り込むだけで、抜ける道がないからですか?」と聞くと、
「これまでは状況が安定していた本庄に、開削部からの流れ込で状況が変わった。」「要は中海(本庄の外の)と一緒になったということです。」
と言って帰っていかれました。明快なl答えに納得。
それは、でも、やはり大海崎も開けなければ、中海の底層の流れは戻らないということなんですね。
鳥取県環境部の見解は、森山堤を開削したために堤内が「中海化」したと言っているだけで、即ち、「本庄工区」内の水質方が底質部分の酸素濃度のみを比較すると「良」である
ことを言っているだけです。単純に大海崎堤を開削しても「中海化」が進行するだけで、「本庄工区」を第二の「中海」にするだけではないのか心配ですが、既に潮流解析なり水質
解析をした結果から中海全体の水質浄化が図れるという「流況予測シミュレーション」はなされていて、その結果からの発言なのですか?
また、中海周辺の家庭雑排水等の汚染源対策としての下水道整備等は如何なる状況にあるのか?改善の方向に進んでいるのか、総合的なアプローチが必要と考えますが?