泣くのはいやだ、笑っちゃおう!―「井上ひさし展」(神奈川近代文学館)

10日、横浜の神奈川近代文学館の「井上ひさし展」をみました。

偶然同じ日に「しんぶん赤旗」の「潮流」欄に紹介された、

養護施設に暮らすひさしと母との間に交わされた手紙やはがきの展示もありました。

貧しさ極まって、ひさしと兄は養護施設、母はひとり暮らして土方仕事という中でも、

離れ離れでも、「元気に、素直に」生きて行こう、座り込んだり後ろに下がったりすまい、と教える母、

映画に夢中のひさしに映画評は映画誌に欠かさず送れ、何があなたの人生を「善転」させるか分からないと励ます母、

小説家を志し映画が好きで、左翼運動に身を投じて早くに亡くなった父は、面ざしもひさしとそっくり。

でも、お母さんの影響も大きいことを知りました。

自筆の原稿、プロット、それらにひさしが自ら入れている創作のための脚注、

それら多量の資料に、抱え込んで座り込んで読めたらな~と思ったことです。

文学館のある「港が見える丘公園」は折しも薔薇が盛り。

またその一隅には、緑区で墜落した米軍機の犠牲となった母子3人を祈念する、

「愛の母子像」もありました。                                                                                     

 

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「泣くのはいやだ、笑っちゃおう!―「井上ひさし展」(神奈川近代文学館)」への2件のフィードバック

  1. 母子像をわすれず、美しい千羽鶴とお花が添えられていることにホッとしました。私たちはこんな現実があったことを忘れてはいけないのに、忘れてしまいます。日米安保の理不尽さを今更ながら思い出しました。地獄の苦しみを味わった親子に私たちはまだなんの答えも出していません。

  2. minato no yokoさん、その通りですね。もうそろそろ、はっきりと答えを出すときが来かけているのではないでしょうか。オスプレイの配備や訓練飛行、低空飛行などに何も言えない防衛省や政府は、あの頃と変わりませんね。

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