「わたしたちの望む保育と民営化を考える会」の主催で、
帝京大教授(以前は鳥大にもおられた)村山祐一氏の講演会を開きました。
米子市は行財政改革の流れの中で、保育園の民営化を急いでいます。
この民営化を検討する市の審議会「保育のあり方検討会」で、
保育の本質的な問題、よい保育とはなにか、どうしたら望ましい保育にしていけるのか、
などが、十分な検討をされないまま、
財政問題のみを理由として、民営化への具体的な検討、
当面何園を、どの園を民営化するなどの段階に移ろうとしており、
心配の声が、保育士さんや保護者のみならず、たくさん上がっています。
その中での、緊急な取り組みでした。
村山先生は、民営化の流れの問題点と、今保育が重大な曲がり角であることを、
大きな身振りで熱心に語られました。
「地方分権」は国の責任放棄、規制緩和は企業参入をやりやすくすること。地方の首長がやりたい放題にしたいと、やりやすいようにしたいという思惑あること。
新制度は中央集権とし、地方の独自の取り組みをつぶすもの。(ほとんどの自治体は国の最低基準より手厚い。なぜならS23年のなにもなかった時代に出来た基準は最低限で、これを越え水準をあげることと、法で義務づけているから。)
新制度では、国から運営費として企業に下りたお金を、企業が好きに使える。
最低基準を緩和すると、国庫負担金の運営費が減少する、そうなれば、保育料が上がる可能性が大きい。(介護保険料が上がっていったように。)
公立保育園がなくなると、自治体は保育園の子育てのノウハウを積み上げられなくなる。
などなど、もっと聞きたいと思うお話が、短い時間内にぎっしりと。
村山先生は、この12月22日(火)のNHK「生活ほっとモーニング」に出演。
保育園の面積の規制緩和の実験です。
一部屋での食べる・遊ぶ・寝るは、保育士さんが物の移動・片付けに時間を取らるそう。
アナウンサー氏が、「満員電車に一日暮らすようなもの」と思わず言ったとか。
この番組、必見ですね。朝8時35分からだそうです。
この国や街のあり方について、子どもをどう育てるのか、どんな社会にしたいのか、
語りながら、みんなの問題に広げていきましょう。