劇作家で、9条の会の呼びかけ人のひとりの、井上ひさしさんが、
9日肺癌で亡くなったと今朝知り、驚いています。
今から37年前、「11ぴきのネコ」(劇団テアトル・エコー)を観て、
その頃まだ珍しい、客席を走り回ったり、通路を花道に使ったり、突然天井から吊りものを下して客を驚かせたり、自由な発想の躍動的な芝居に驚いた。その作家が井上ひさし。
そして、その時10代でTVで楽しんだ「ひょっこりひょうたん島」の作者だということも知った。
そして、私の詩歌の原点石川啄木を描いた「泣き虫生意気石川啄木」に共感し、
市民劇場の専従を辞めたころに観た「きらめく星座」が心の星としてきらめき、
近年は、原爆の今だ癒されぬ傷の痛みを抱えながら生きる「父と暮らせば」を、
井上さん主宰のこまつ座や、松江のむぎわら帽子企画や、あるいは宮沢りえ主演の映画で追いかけるようにして観ている。
*この「父と暮らせば」(こまつ座)は、米子市民劇場の7月観賞会として、7月30日米子で上演されます。お問い合わせは米子市民劇場事務局まで。(Tel 0859-33-8695)
昨年の夏、滋賀の議員研修会の帰り、神戸に回って、井上さんの最期の戯曲となった、
小林多喜二を描いた「組曲虐殺」を観た。
まだまだ同時代に生き、私たちに深い共感を呼び起こす戯曲をつぎつぎと見せてほしかった。
でも、もうあなたの舞台の幕は下りたのですね。さようなら。ありがとう、井上ひさしさん。